【質問】災害危険区域を指定すれば防潮堤は不要なの?

【2015年6月12日の質問と回答です】

【質問】先日、七ヶ浜町の農業団体の合意形成レポートを読みましたが、調整過程が非常に難しいことがうかがえました。関係者の資金力の寡多、異なる利害、そのすべてが時間軸によって変質します。その状況を読み解くことも大変ですし、どの自治体もそこを考慮した上でどう調整するかに苦慮しているかが、先生のレポートからもうかがえました。
そこで、基本的な質問ですが、災害危険区域では住居建設不可ですが商業施設はその限りではなかったように私は記憶しています。つまり、必ずしも防潮堤を作る必要がないように思うのですが、どうなのでしょうか。
災害危険区域と防潮堤の建設は必ずしも等号関係ではないのでしょうか。それとも南郷・田中前地区、赤岩舘下地区の問題が絡んでいるのでしょうか。
答えにくい質問と思いますが、よろしくお願いします。

【回答】災害危険区域は、住居、入院施設のある病院、保育所、宿泊施設の建築を制限しています。事業所、商業施設はもちろん建設可能です。

危険区域と防潮堤の関係ですが、レベル1対応の防潮堤とはいえ、レベル2津波の浸水域を減らす効果があります。気仙沼では東日本大震災で浸水した区域の2割が危険区域から外れました。

防潮堤を計画通り造らないと、この危険区域が拡大してしまいます。危険区域の内外によって住宅再建の支援が異なり、危険区域外からは原則として防災集団移転にも参加できません。何年もたってからの危険区域変更は影響が大きく、どの自治体もためらい、防潮堤計画を変更できない理由にもなっています。

例えば、気仙沼魚市場に防潮堤を造らないと、土地区画整理でかさ上げした幸町、危険区域から外れている南郷、田中前までレベル2津波で浸水するシミュレーション結果になったそうです。魚町・南町の防潮堤議論でも、高さを下げれば八日町まで想定浸水域が広がるという難題に苦しみ、可動式のフラップゲートを余裕高1m分に導入することで決着しました。

一方、唐桑地区などのよう背後地ががけ地のように地形では、防潮堤計画を変更しても災害危険区域はさほど変わりません。大島の小田の浜がレベル1防潮堤から原形復旧に変更され、鮪立、鶴が浦の堤防高を下げられたのも同じ理由です。

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