【質問】震災遺構の差別化は?

(2015年5月の質問と回答です)

【質問】震災遺構の記事で「東日本大震災では国の交付金で、1市町1つずつ遺構を保存できるのですが、ネットワーク化の検討はされていません。活用と運営面で、宮城県の主体性もないのが残念です。」という部分には少し驚きました。
河北新報では、民間が遺構ツアーを検討という記事があったため、自治体でもその熱が高まっているかと思いましたが、先生のお話から察するに、どうもそうではないようです。

震災遺構問題では現在、遺構が多すぎて自治体間で差別化できていない、という問題点が挙がっています。例えば、教育施設は被災各地で建てられているため、特殊性が出ていないようです。たしか、向洋高校でもそのような議論が取り交わされた、と聞いております。

そこで、質問ですが、先生は差別化を図るための具体案として、どのようなものをお持ちでしょうか。公では答えられない部分もあると思いますが、よろしくお願いします。

【回答】震災遺構は国が復興交付金で初期の保存費用を負担する代わりに、維持管理費用は地元自治体が負担していくことを求めています。県も費用については、復興の最中にあって消極的なようです。
震災遺構の保存候補を考えた有識者会議が終わった後は、南三陸町の防災対策庁舎を除いて動きはなく、担当者レベルの情報交換会さえ開かれていません。

差別化のご指摘ですが、気仙沼市では気仙沼向洋高校の被災校舎について、内部に入れる公開方法を検討しています。資料館のようなものも併設し、ガイドにも力を入れていく方針です。

しかし、震災遺構が競い合うような方向性は好ましくありません。避難ビル機能、子供の避難、復興の象徴、津波の威力など、それぞれの施設の発信力や教訓は異なるのですから、やはりネットワーク化して、被災地全体で来場者をカウントする仕組みが必要だと思います。そういう意味では、中越のネットワーク化は大変参考になります。ネットワーク化には、宮城県のイニシァティブが必要です。

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