国勢調査で人口8572人減。その影響は?

平成27年国勢調査結果の速報が公表されました。詳しくは宮城県のホームページにありますが、気仙沼市は5年前より人口が8572人減りました。震災の影響もあり、人口減少率は11.66%で県内ワースト5でした。この結果は国から市へ交付される普通交付税に影響し、このままだと単純計算で年間10億円も減ってしまうことになります。

■3カ月以上の居住者をカウント

国勢調査は5年ごとに行われ、各世帯に調査票を配布して居所状況などを調べます。住民登録に基づいて気仙沼市が毎月公表している人口や世帯数は、実際は転居しても住民票を移していない学生などもカウントされる一方で、住民票を移さずに居住したりしている工事関係者がカウントされなかったりするので、国勢調査からはより実態に近いデータが得られるのです。今回の調査結果は、昨年10月末現在の住民登録よりも1957人少ない結果となりました。

被災地の場合、震災前の住所のまま仮設住宅で暮らしている人もいます。国勢調査では仮設住宅の住所で人口をカウントするため、気仙沼市で被災して一関市内の仮設住宅で暮らす人は、一関市でカウントされます。一方で、復興事業のため気仙沼市で暮らしている人たちは、住所変更していなくても気仙沼市でカウントされます。27年10月の段階で、3カ月以上暮らしている人または3カ月以上暮らす予定の人は、その場所でカウントされるからです。

■気仙沼市の人口減少率はワースト5

国の正式な結果発表は2月の予定ですが、宮城県が公表した速報では、気仙沼市は人口6万4917人、2万4139世帯でした。平成22年の調査と比べて人口は8572人(11.66%)、世帯数は1318世帯(5.18%)それぞれ減少しました。県全体では人口が0.59%の減少、世帯数が4.75%増加です。気仙沼市の人口減少率は、35市町村のうちワースト5、13市ではワースト1でした。「率」ではなく「数」で見ると、気仙沼市の減少数は人口が石巻市に次いでワースト2、世帯数はワースト1です。

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人口減少率が最も大きかったのは女川町(36.98%)で、南三陸町(29.00%)、山元町(26.28%)、七ヶ宿町(13.93%)でした。原発災害の近接地、津波被災地で減少が際立っています。平成17年⇒22年の人口減少は内陸の農村部で目立ち、気仙沼市のマイナス5.8%に対し、登米市はマイナス6%でした。ところが、今回は登米市がマイナス2.36%に抑えられています。仮設住宅を含めて震災によって内陸部への移転が進んだことが裏付けられたのです。

■ピンチはチャンス…

注意しなければならないのは、今回の調査結果はマイナス面だけでなくプラス面もあったということです。たしかに震災による人口減少が如実に表れましたが、復興のための職員や作業員がカウントされています。復興特需が終われば、5年後の調査ではこうしたプラスの部分がなくなってしまうのです。市外に出た人に戻ってきてもらうことができなければ、人口減少は加速してしまいます。

ピンチはチャンスです。人口流出を裏返せば、気仙沼出身者が市外にたくさんいることになります。雇用、生きがいなどのきっかけがあれば、帰ってくる可能性がある人たちです。復興と併行して進めている「地方創生」でUIJターン者の受け入れを図るとともに、いま住んでいる人たちの満足度や幸福度を高める施策も重要です。

■普通交付税は1人当たり12万円。計10億円の減収か

最後に、国勢調査結果が市財政にどう影響するかです。

震災前に気仙沼市の財政の3割超(約100億円)を頼っていた地方交付税は、国勢調査の結果に基づいた人口などから算定されます=下表参照=。市によると、市民1人当たり年間12万円程度の計算になるそうですから、8572人の減少で約10億円も減ってしまいます。人口が急減した場合の補正はされるものの、被災市町は国に対して22年の国勢調査結果を算定基礎とするように要望しています。新年度予算の編成もあるので、今月中には国の方針が示される見通しです。

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気仙沼市は市町合併による特例の加算措置を受けていますが、27年度から段階的な減少が始まっています。財政的には厳しい状況ですが、震災関連の予算があることで財政はまだ大丈夫のようで、そのことは昨年12月に発表した最新の中期財政見通しで明らかにされています。

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