2人だけど増えました【気仙沼市の26年度出生数】

気仙沼市では26年度に379人の子どもが生まれました。超少子化の時代ですが、27年度に比べて2人増えています。人口減少率も市町合併以降、最も低くなりました。

26年度の月別出生数

出生数は前年度より微増し、この3年は横ばい傾向となっているものの、少子化の大きな流れは変わっていません。約800人が生まれていた20年前の半分しか生まれていないのです。第二次ベビーブームのころには年間1500人以上も生まれていたのですから、そのころに比べれば4分の1程度になりました。

22~26年度の出生数

出生数が減っている原因は2つあります。一つ目は、1人当たりの出生数が減っていることで、これは全国的な課題でもあります。もう一つは、子どもを産む年代の女性が減っているからです。これは若者の流出が続く地方都市ならではの課題です。

■女性の数が10年で3~4割少なくなる

下のグラフは26年3月末現在の気仙沼市の年齢別の女性人口です。初産の全国平均年齢が30歳となっている中、この前後の年齢の女性の数が減っていることが分かります。25歳と35歳の数を比べると、4割以上少なくなっています。

女性の年齢別人口(26年3月末)

25歳を過ぎてから帰郷する女性もいるので、増えていく可能性はあります。ただ、25年前の出生数が男女合わせて829人で、35年前は1232人と3割以上減っている実情を考えれば、今後の出生数の減少もおのずと予想できると思います。当然、男性の数も減っています。

若者の減少だけでなく、未婚化、晩婚化も進んでいます。気仙沼には低収入の問題もあります。若者が暮らせる地域づくりから始まり、安心して産み育てられる環境づくりが急務です。

■人口は年間683人減少

26年度末の人口は6万7268人でした。1年間で683人減少しましたが、減少率は1.01%と25年度の1.17%、1.25%を下回りました。震災直前の23年2月末と比較すると、6095人(9.4%)減少しました。379人が生まれた一方で、858人が亡くなり、転入者1619人に対して転出者1823人となった結果です。

毎月の人口は25年5月から23カ月連続で減少しています。このまま年間700人のペースで人口減少が進むと、7年後には本吉町と合併する前の人口に戻ります。21年9月の合併からわずか15年ほどで本吉町一つ分の人口(約1万1千人)がいなくなってしまうのです。

気仙沼市は地方創生の一環で、人口対策を本格化させます。しかし、地方創生とは名ばかりで、実際には「地方競争」です。日本の人口そのものが減少していく中、気仙沼以外の地方都市がこぞって移住促進などに乗り出すからです。人口を1人でも増やす努力をしていく一方で、人口規模にあった持続的なまちづくりも必要です。人口問題については、今後も情報発信を続けながら、対策を提案していきます。

※なお、南気仙沼小学校跡に完成した災害公営住宅の入居世帯によって新たに設定された「南郷3区」は、3月末までに71世帯119人が住民登録しました。

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