架橋とともに進む大島ウエルカム・ターミナル計画【気仙沼】

報告が遅れましたが、気仙沼市が計画している(仮称)大島ウエルカム・ターミナルの基本計画が固まりました。販売と展示、観光案内や体験交流のスペースを備えたウエルカム施設、飲食店などを想定したモール施設、そして約100台分の駐車場を計画しました。

【浦の浜に総合玄関口】

ウエルカム・ターミナルは、2011年10月に策定した気仙沼市震災復興計画に重点事業として盛り込まれました。2018年度の架橋完成に向けて、観光客を迎える総合的な玄関口としての役割が期待されています。架橋とともに定期船がなくなりますが、車でアクセス道と海の玄関の合流ポイントである浦の浜地区で計画を検討してきました。

基本計画では、ウエルカムエリアのまちづくり方針を「島ならではの資源を活用した観光・体験の環境づくり」「島民が意欲的に生産・販売にのぞめる環境づくり」「島民も日常的に交流・利用できるコミュニティの環境づくり」「将来を担う若い島民の新たな挑戦の環境づくり」と設定しました。

建設を予定しているのは、防潮堤の背後地を盛土した場所です。橋からアクセスする新たな県道沿いに位置します。防潮堤前面は宮城県が覆土し、緑地公園とします。防潮堤計画については過去の記事を参考にしてください。

 

【販売、待合、観光、体験、交流にミニ水槽も】

ウエルカム施設は420㎡程度を計画し、農産物販売やチャレンジショップを想定した販売スペース(145㎡程度)、観光案内を兼ねたバスなどの待合スペース(80㎡程度)、体験交流や会議への利用を想定した多目的スペース(100㎡程度)、事務室・倉庫(30㎡程度)、屋内トイレ(50㎡程度)の配置します。

待合スペースには、島内の情報展示、レンタサイクル、ミニ水槽などのアイデアも入れました。

モール施設は、1店舗当たり80坪程度で4区画、駐車場は小型車31台、大型車3台、身障者用1台を用意。小型車57台、大型車3台分の臨時駐車場も計画しています。

【公設民営へ運営組織を検討。2018年度末オープン】

管理運営方式は「公設民営」で、指定管理者制度を導入する方針です。「島内の関係機関や島民の皆さんの参画による共同組織(まちづくり会社など)による運営が望ましい」としています。

基本計画策定までは、関係団体や地域代表ら27人による懇談会で話し合いを進めてきましたが、今後は新たな検討グループを立ち上げ、運営組織の検討など具体的な準備を進めます。ウエルカム施設は2017年度に造成工事に入り、施設は実施設計にも着手して2018年度の建設を目指します。モール施設も2018年度に建設し、いずれも2018年度末の橋開通と合わせてオープンするスケジュールです。

課題は運営組織です。できれば市は施設の維持管理費だけを負担し、人件費などの自前で賄える組織が理想です。観光客に喜ばれ、住民の交流にもつながる施設で、利益も得られる施設に向け、いよいよ議論が本格化していきます。くぼ地になってしまう既存の飲食店への対応も課題となっています。

 

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